ブラジリアン柔術

ブラジリアン柔術(Jiu-jitsu brasileiro、BJJ)は、柔道を元にブラジルで発達した、寝技を主体とする格闘技。
元々はグレイシー柔術という流派だったが、現在では他にいくつもの流派が生まれたため、これらをまとめてブラジリアン柔術と呼ばれている。

100年ほど前に日本の柔道家がブラジルで技術を指導したのが始まりで、そこから格闘技、護身術として発展していった。
今日では格闘技界での知名度や安全性から、世界中で入門者が増え続けている。

ブラジリアン柔術の成り立ち

柔道の総本山、講道館の実力者であった前田光世は、明治37年(1904年)、世界に柔道の力を知らしめるため渡米した。
彼は懸賞金を賭けた他流試合を全米で行い、さらにヨーロッパを周りながら、レスラーやボクサー相手に連戦連勝を重ねる。
様々な格闘技と対戦する中で、絞め技や関節技の開発に取り組み、”相手をタックルで倒して間接技を極める”という無敵のスタイルを確立していった。

その後、中南米に渡り活躍した前田は、ブラジルで警察や兵学校の武術師範として迎えられた。
ある時移民の知り合いに頼まれ、移民の息子でやんちゃ坊主のカーロス・グレイシーに柔道の技術と心得を教えたところ、ぐんぐんと技術を吸収していった。
またカーロスとともに修練に励んだ弟のエリオ・グレイシーは、その技術を体系立てて誰でも使えるように改良しグレイシー柔術と名乗った。
カーロス、エリオ兄弟は積極的に異種格闘技戦を行いグレイシー柔術の名を広めていった。

カーロス、エリオの息子たちグレイシーの一族は、レスリングなど他の技術も取り入れながら技を磨いていった。
また同じころ、ブラジルではグレイシー柔術の他にもいくつもの柔術が派生していった。

1993年、アメリカで開催された格闘技大会 UFC1でエリオの息子ホイス・グレイシーが優勝を果たす。
空手家、ボクサー、プロレスラーなどの強者が集まる中、無名の柔術家が自分よりも大柄な選手を倒していく様は大きな反響を呼び、ブラジリアン柔術は一躍脚光を浴びることとなる。

ブラジリアン柔術の技術

基本的なスタイルは、タックルなどで相手を倒してから、マウントを獲るか関節技・絞め技を仕掛けること。
これはブラジルで一般的な試合方式だった一対一のバーリトゥード(何でもあり)に特化した戦法である。

関節技・絞め技を使うため、小柄な人でも大きな相手を倒せるのも売りの一つである。
世界でも類を見ない多彩で奥の深い寝技の攻防が魅力だが、一見すると地味なため格闘技イベントでは好まれない。

ブラジリアン柔術はどんな人に向いてる?

ブラジリアン柔術は小柄な人でも関係なく使え、練習もハードにならないため敷居が低く、入門者は多い。スポーツやエクササイズとして女性にも人気がある。

また柔道家や総合格闘家が寝技を磨くために習うこともある。

ただしブラジリアン柔術はあくまで”相手が武器を持っておらず、一対一で、マットの上での戦い”に特化した技術であることに注意したい。特にケンカにつかうには、打撃技がないのが決定的に痛い。
あくまで試合用か、女性の護身用として練習しよう。

ブラジリアン柔術を使うキャラクター


ゴードン・クランシー(高校鉄拳伝タフ)


ララ・マツダ(ストリートファイターV)


斎藤 保(クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編)

ブラジリアン柔術に関連する武術

柔道

源流は同じだが、
柔道では立ち技が発達し、一方ブラジリアン柔術では寝技が発展していった。

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