ジェイルハウス・ロック(監獄ロック)

ジェイルハウス・ロック(日本語訳:監獄ロック)はアメリカの刑務所内で生まれた格闘術。JHR52ブロックなどとも呼ばれる。

ジェイルハウス・ロックは長らくその存在が疑問視され、都市伝説的な扱いを受けていたが、現在では多くの著名人の証言やメディアへの露出により認知されている。

ジェイルハウス・ロックの成り立ち

ジェイルハウス・ロックの戦闘スタイルの成り立ちについては
「その源流は17世紀の黒人奴隷から秘密裏に受け継がれてきたアフリカ系武術にある」「20世紀初頭に不利なファイトを強いられ続けた黒人ボクサーが生みだした技術である」「1970年代にボクシングとカンフーと空手を融合させて完成した」など様々な説があり、いつどこで始まったのかは定かではない。
一つ確かなのは、この武術がアメリカ各地の受刑者たちによって大きく進化を遂げたということだ。

古くから行われてきた黒人の大量投獄によってアメリカ刑務所内の治安は悪く、囚人グループ間の抗争が絶えなかった。そういった環境の中で囚人が身を守るため、アメリカ各地の刑務所で独自に発達していった格闘術を総称してジェイルハウス・ロック(監獄ロック)と呼ばれるようになった。
※ネーミングについては、エルヴィス・プレスリー主演の映画『Jailhouse Rock』(1957)が由来だと思われる

それらの技術はやがて刑務所外にも持ち出され、特にベトナム戦争の退役軍人によく使われた。1980年代以降はニューヨーク・ブルックリンのストリートファイトで主流の戦闘スタイルとなった。

この時点でジェイルハウス・ロックは、一般的なアメリカ人の多くが名前を聞いたことはあるが、実際にあるのかは分らない都市伝説的な扱いであった。
しかし1990年代にカナダのジャーナリスト、ダグラス・センチュリーの著書「ストリートキングダム」で初めて一般向けに紹介されたことを皮切りに、徐々に書籍、映画など様々な媒体に露出するようになり、またマイク・タイソンなどの著名人がその存在を証言することによって広く認知されることとなった。

現在では有用な格闘術としてポジティブに受け止められつつあり、準武道として技術を教えるインストラクターも現れ始めている。

以前はジェイルハウス・ロックウォールファイティングなどと呼ばれていたが、今ではジェイルハウス・ロックの中でも特にニューヨーク流の戦闘スタイルである52ブロック52ハンドブロックコムストックスタイルStato等の名称が主流である

ジェイルハウス・ロックの技術

ジェイルハウス・ロックは刑務所内で口頭伝承されてきたため、地域あるいは使い手によって空手やカンフーなどがまじっており、また特定の型のようなものは持たない。
しかしおおよそはアフリカ大陸を起源とする黒人系の武術にボクシングの技術を取り入れている。

ジェイルハウス・ロックの一種である52ハンドブロックは廊下や階段、独房内などの狭い場所での戦いを想定したコンパクトな動きで、相手の攻撃を肘でブロックしつつ肘打ち・頭突きを多用する。前蹴り、膝蹴り、踏みつけなどコンパクトな足技も使用する。


構えた手を円に回しながら相手の注意を引いたり、平手打ちで大きな音を立ててフェイントに使ったり、壁を背にして守りに使ったりといったテクニックが存在する。

素手だけでなく、スティックやshivs(刑務所内のハサミやガラス片で作ったナイフ)等の武器に対処するテクニックもある

ジェイルハウス・ロックを使う有名人

マイク・タイソン

ボクシング史上最強とも言われる、元ヘビー級王者。
元不良少年で、ケンカではボクシングではなくジェイルハウス・ロックを使用していたと思われる

リュダクリス

アメリカの有名ラッパー兼俳優。
映画「ワイルドスピード」の戦闘シーンで52ブロックを披露している。

彼の他にもテレンズ・テイトが映画「ガンヒル」で、メル・ギブソンが映画「リーサルウェポン」でジェイルハウス・ロックを使っている。

ジェイルハウス・ロックに関連する武術

サバット

フランスを代表する格闘技サバットは、元々はスラム街のごろつきがストリートファイトで使う格闘術だった。
都市部の犯罪者たちの間で生まれた格闘術、という点でジェイルハウス・ロックと共通している

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