少林寺拳法

中国の少林拳と混同されがちだが、少林寺拳法は日本人によって作られた日本の武術である。

開祖の宗道臣が、空手や柔術、そして中国で学んだ武術などを組み合わせ、実践的な護身術として体系化し戦後の日本に広めていった。

少林寺拳法の特徴としては、日本の武道と中国拳法のいいとこどりをした実戦向きの技術だという点。
そしてもう一つは、平和を愛し、道徳心を身に着けるための、宗教的な一面があることだ。

修練を始める前には必ずお題目を唱え、昇段には開祖の思想に関する筆記試験にパスしなければいけない。
しかし、この社会教育的な側面と、無理に体を鍛えない安全・手軽さが子供の習い事にマッチするという事で全国的に広まっていき、今では150万人以上が在籍するメジャーな武術となっている。

少林寺拳法のなりたち

少林寺拳法創始者の宗道臣(本名:中野理男)は明治44年に岡山県で生まれ、不遷流柔術・剣術・槍術を祖父から叩き込まれて育った。
やがて第二次世界対戦が始まると、陸軍工作員として中国に渡り、スパイ活動のかたわら中国各地のさまざまな流派の武術家に教えを乞い、技術を習得していった。

終戦後に帰国するも、日本は戦後の混乱期の真っただ中。市中での喧嘩は日常茶飯事で、無法者たちが町民をおどし、若者たちは心の余裕をなくしていた。
これを憂いた宗道臣は、若者に他人を思いやる心を持ってもらおうと、昭和22年、精神修養と護身を旨とする拳法の流派「少林寺拳法」を創始した。

少林寺拳法の技法は、開祖がこれまで学んできた柔術や中国拳法、空手などをもとに、自分の実戦経験を加味して体系づけられ、まとめられたものだった。
力の伴わない正義は無力」という思想の下、弟子たちを引き連れ暴力団などを退治していき、地元香川県で評判を高めていく。しだいに若者たちが次々と入門するようになり、少林寺拳法は護身術の一大流派へと発展していった。

少林寺拳法の技術

弱くても使える

少林寺拳法は力の弱いものであっても強者から身を守れることが前提のため
体を無理に鍛えなくても使える技術が確立されている。

構えは手の位置が低く、頭部だけでなく体全体を守るようにし、攻撃時にも自分の急所を守りながら突きや蹴りを放つなど、相手の攻撃を一発たりとも食らわないことが前提になっている

 

そして目打ち金的蹴りも当たり前のように使っていく。

突きは縦拳でリーチが長く、突きや蹴りは威力よりも相手の急所に正確に当てることに重きを置いている。
一撃必殺ではなく、連打で相手を追い詰めていく。


・演武の様子(女性、男性、団体による型と技の披露)

三つの体系

少林寺拳法の技術は剛法・柔法・整法の3つの体系に分けられている。

剛法…突きや蹴りといった打撃技
柔法…間接技で相手を投げる、抑え込む
整法…関節の仕組みや経脉(ツボ)を利用した整体、整骨の技法

これらをバランスよく習得することが重要とされ
また段位が上がるにつれ、刃物への対処や棒術なども修めていく。

後の先

少林寺拳法は基本的に、全ての技がカウンター技となっている。

これは
・護身術なので、人に襲われた場合を想定している
・先に手を出させ、正当防衛を成り立たせるため
といった理由がある。

護身術らしく、殴りかかられた場合の反撃法はもちろん、胸ぐらを掴まれた場合や、急に腕を掴まれて引っ張られた場合などの対処法も充実している。
もちろん、基本的な構えや突き、蹴りなども学ぶ。

少林寺拳法はどんな人に向いている?

少林寺拳法はあくまで護身術であり、女性や子供、お年寄りでも身を守れる技術を前提としているため 激しい運動や、厳しい鍛練を必要としない。

・体力のない方
・厳しい体育会系の雰囲気が苦手な方
・喧嘩の強さではなく、もしもの時に身を守るすべを身に着けたい方

に向いているだろう。

といっても、しっかりとした格闘の技術なので、力のある成人男性が使えば恐ろしい武器になる。修練を積んだ高段者のおじいさんなどはそこらの若者が束になっても勝てないほど強い。

「勝つことが目的となっては困る」という理由で試合が行われず、”型だけの武道”となることが危ぶまれていたが、
最近では実戦に即した乱捕り稽古が取り入れられてきている。

日本全国各地に道場があるので通いやすく、習い事として通う子供も、大人になってから学ぶ者も多い。

道場検索

少林寺拳法を使うキャラクター


三崎健吾(グラップラー刃牙)


キング(ホーリーランド)

少林寺拳法に関連する武術

少林拳

中国で拳法の修業に励んだ宗道臣は25歳の時、少林拳の総本山である嵩山少林寺に入山し、義和拳の免許皆伝を得た。
日本に帰ってからも 心の故郷となった嵩山少林寺を想い、自らの教えに「少林寺拳法」の名を付けた。

ムエタイ

開祖は少林寺拳法を作る際にムエタイも参考にしたと語っているが
どのあたりに取り入れられているかは不明である。

サバット

どちらも護身術だけあって、突き、蹴りなどの攻撃時も常に体を守りながら行う点で共通している。

スポンサーリンク







スポンサーリンク