システマ

システマ(Systema)は、ロシアで開発された軍隊格闘術である。
ロシアの伝統武術を基に、近代での白兵戦、サバイバルを想定して編み出された。

現在もロシアの警察・軍事で指導されているほか、護身術として一般にも広まりつつある。

システマの成り立ち

広大なロシアの地では、ロシア諸国間での争いや、ヨーロッパ、アジアからの侵略者との戦いの中で、様々な戦闘術が生まれていった。

1922年に樹立したソビエト社会主義共和国連邦では、軍隊格闘技の研究が行われた。
ロシア軍人のビクトル・スピリドノフはロシア各地に伝わる伝統武術や、ボクシング柔術を研究し、サモズ(SAMOZ)と呼ばれる格闘術を編み出した。
サモズはソ連の軍や警察訓練に取り入れられた。
※サモズはサンボの前身でもある。

1962年、ソ連の軍事学校の教師であるアレクセイ・カドチニコフは、サモズや世界各国の格闘技、サバイバル術を元にシステマと呼ばれる実践的な軍隊格闘技を生み出した。
システマはスペツナズ(ロシア軍特殊部隊)の格闘訓練に取り入れられ、後には国境警備隊や民間空港の搭乗員などに教えれらた。

現在、軍事関係者によってさまざまなシステマの流派が創始されているが、そのほとんどはカドチニコフの生み出したシステマが大元になっている。

1991年のソ連崩壊により、数々のロシア武術と共にシステマも世界に知られるようになった。

システマの技術

システマには特定の技や構えが存在しない。
型を覚えるよりも、「波の動きを使う」「8の字の動きを使う」「末端から動く」などの体の使い方の原理を習得することが重視される。

徹底した脱力と柔らかな動きで相手の攻撃を受け流し、即座に反撃に出る。
どんな状況でも自然で臨機応変な対応をし、”生き残ること”がシステマの最大の目的である。

システマはナイフ、棍棒、拳銃などに対する技術、各種武器術、集団戦の技術、サバイバル術、マッサージなどのスキルを含んでいる。
しかし一般には護身術として指導され、殺人術などの危険な技術は公開されていない。

基本原則

システマでは戦闘中でも心と体の力を抜くことが重視される。

「呼吸し続ける」
「リラックスを保つ」
「姿勢を真っ直ぐ保つ」
「移動し続ける」

これらが戦いの基本原則とされる。

常に冷静さを保ちながら、その場を切り抜けようとするのがシステマの基本概念である。

呼吸

どのような状況でも、落ち着いて冷静になることができれば、適切な力を発揮することができる。
また脱力によって体の動きがスムーズになり、攻撃の威力とスピードは大きくなる。

システマでは独自の呼吸法により緊張を素早くほぐすことができる。
また呼吸法によって、運動時でも体力の消耗を抑え、すばやく息を整えることや、強い痛みの中でも平常心を保つことが可能となる。

流派

システマに分類される武術は数多いが、以下のものが有名である。

システマ・カドチニコヴァ
…カドチニコフが開発した、システマの祖。シャベルなど多彩な武器を使用する。

システマ・スペツナズ
…実戦的なスパーリングを行い、厳しい修練を積む。

システマSV
空手サンボの技術を取り入れ、跳び蹴りなど他のシステマには見られない動きもある。

ROSS
コンバットサンボとシステマ・カドチニコヴァを基に作られたシステマ。

リャブコ・システマ
…いくつかのロシア伝統武術とシステマ・カドチニコヴァを基に作られた。もっとも普及しているシステマ。

フェージン・システマ
…優れたナイフ投擲の技術で知られている。

システマを使う有名人

ミカエル・リャブコ(1961 – )

元ロシア連邦法務省顧問、元ロシア国内軍務大佐。
スペツナズ所属時代に学んだシステマと リャブコ家に伝わるロシア民族武術を元に、リャブコ・システマを創始する。
ソ連崩壊後にシステマをいち早く世界に公開し、教え広めた。
護身術色の強いリャブコ・システマは、日本を含め世界で最も広まっているシステマ流派である。

システマはどんな人に向いてる?

システマは護身術として日本でも教えられている。
相手の力を受け流し、筋力に頼らないので、小柄な人や体力のない人でも活用できる。
怒りや恐怖を鎮め、どんな状況でも心を平静に保つ技術は、災害などの緊急時にも役立つだろう。

最近では、護身ではなく武術として深い指導を行う教室も増えつつある。

システマを使うキャラクター


ミハイル・ミロコビッチ(TOUGH)


ヴォジャ(嘘喰い)


マリー・ローズ(デッド オア アライブ5 アルティメット)

システマに関連する武術

サンボ

システマとサンボはどちらも、ビクトル・スピリドノフが生み出したSAMOZが元になっている。

スポンサーリンク







スポンサーリンク