カポエイラ

カポエイラ(カポエラ)(Capoeira)は、ブラジルの黒人奴隷たちの間で生まれた格闘技。
足技を主体としたアクロバティックな動きが特徴である。
組手では音楽と共に動きを魅せあい、ダンスとしての一面も持っている。

カポエイラの成り立ち

16世紀、ブラジルはポルトガルの植民地となり、サトウキビなどの農場が多数作られた。
そして労働力のためアフリカ大陸から大勢の奴隷が輸入され使役されていた。
やがて奴隷たちの間では、横暴な支配者から身を守るため、または独立し自由を手に入れるための格闘術が発達していく。これがカポエイラの始まりである。

※カポエイラが足技ばかりなのは、手枷をはめられたり鎖でつながれた状態で戦う必要があったからだとも言われているが、実際にはカポエイラのルーツの一つであるアフリカ武術ニゴーロもすでに足技を多用するものだったようだ。

カポエイラは支配者たちによって禁止されるが、奴隷たちは楽器を奏で、ダンスのふりをしてカポエイラの練習をした。このためカポエイラはダンス・音楽文化としての側面を持ち、後にブレイクダンスにも大きな影響を与えた。

1888年に奴隷制度が廃止されたが、職を失った黒人たちによる犯罪が問題となったため、カポエイラは政府への反抗手段とみなされ法令で禁止された。

1932年、メストレ・ビンバと呼ばれる1人のカポエイリスタが世界で初めてのカポエイラ道場を開き、
さらには1937年ブラジル共和国大統領の前でカポエイラのデモンストレーションを行った。
その際大統領から武術として正式な承認を受け、ついにカポエイラは日の目を見ることとなった。

カポエイラの技術

ここではダンスではなく格闘技としてのカポエイラの技術を解説する。

近年では他武術の拳技を取り入れつつあるが、基本的には足技で相手を倒す。

動きを読まれないようにジンガという独特なステップを踏みながら、則転やバク転を織り交ぜ多彩な蹴りを放つ。

このようにアクロバティックな動きをするのは、武器を回避するためである。回転したり低くかがむことで、頭と胴体をできるだけ相手の持つ武器から離しつつ、リーチの長い足技で攻撃するという理にかなった闘い方となっている。


その他足をかけて相手を倒したり、頭突き、目つぶし、金的などの技もある。

カポエイラの代表的な技

ジンガ
ジンガはカポエイラを行う際の基本のステップであり、他の武術における”構え”に相当する。
左右に揺れながら動くことで相手に的を絞らせず、また回避や攻撃の予備動作にもなっている。

メイア ルーア ジ コンパッソ
カポエイラの基本の蹴り技の一つで、地面に手を突きながら後ろ回し蹴りを放つ。

なお、カポエイラの技名や用語はすべてポルトガル語である

カポエイラはどんな人に向いてる?

日本でもエクササイズや、コミュニケーションの取れるダンス・スポーツとして広まっていて
カッコ良い動きを楽しみたい人に向いている。

カポエイラは無駄な動きが多いように見えるが、実戦でのカポエイラは合理的で強力である。
本来は手足が長く しなやかなバネを持った黒人の武術だが、日本人でも体が柔らかければ実戦に使用できる。
ただし日本では、実戦格闘技としてカポエイラを教えるジムは少ない。

カポエイラを使うキャラクター


ボブ牧原(天上天下)


L(DEATH NOTE)


ムゲン(サムライチャンプルー)


三條一里(バトゥーキ)

カポエイラに関連する武術

ブラジリアン柔術

カポエイラと並んでブラジルを代表する武術だが、その技術は打撃中心のカポエイラとは対極に位置する。

サバット

フランスのスラム街で路上のケンカから発展した格闘技。
相手の武器を警戒してリーチの長い足技を中心に戦うという発想は、カポエイラと共通するものがある

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