サバット

サバット(Savate)はフランス発祥の格闘術。サファーデとも呼ばれる。
街中での戦いを想定し、ステッキや底の硬い靴を武器として使う実践的な護身術、ケンカ術であったが
現在ではスポーツ競技化されフランスなどで親しまれている。

サバットの成り立ち

18世紀のフランス革命で治安の乱れたパリで、不良達がストリートファイトに使っていたケンカ術がサバットの源流となっている。
そんな不良やゴロツキたちの中でも「ならず者閣下」と呼ばれ恐れられたミッシェル・カスーが1825年にケンカ術のジムを開いたところ、教えを乞うものが殺到した。サバットと名付けられたのもこの時である。

その後、カスーの弟子シャルルモン・ルクールが、ステッキを利用した杖術「ラ・カン」を取り入れ、サバットを「紳士の護身術」として上流階級に売り込むことに成功する。
紳士たちはこぞってサバットをたしなみ、フランス中に広めていき、1852年にはナポレオン三世がサバットの軍事演習所を作った。

さらに時が進み、サバットは競技化され「ボックス・フランセーズ(フランス式ボクシング)」として進化を遂げていった。
一方で杖術「ラ・カン」も、フェンシングのような競技「カンヌ・ド・コンバット」としてフランスで親しまれている。

サバットの技術

武器を持った相手を想定しているため、距離を開けて守りを固めながら戦うスタイルである。

護身術としてのサバット

サバットの技術体系は
・遠間からステッキなどでけん制する武器術「ラ・カン
・中間距離でのキックなどの打撃技「ボックス・フランセーズ
・組み付かれた場合に関節技や投げを行う「リュット・パリジェンヌ

の3つに分けられるが、もっとも特徴的なのが「ボックス・フランセーズ」における蹴り技だ。

本来は硬い革靴やつま先に刃物を仕込んだ靴でけり合うので、一度でも食らえば大けがは必至。自然と遠い間合いからリーチの長い蹴りでけん制し合うスタイルが完成された。
脚でボクシングのジャブやストレートのような特徴的な蹴りを放つ。

競技としてのサバット

競技においても、
足首まで固定した硬い靴を履いているため、腰を入れないつま先蹴りや、蹴りに対する靴での防御など、他の武術と違った動きがみられる。
また、相手の背面への蹴りや膝関節への踏み蹴りが認められている。

試合では、しなやかな足技を連発しバレエのように華麗な動きにみえるが、
その技術は実戦で重いブーツや安全靴を履いて戦うときにこそ真価を発揮する。

サバットはどんな人に向いてる?

フランス人は他のヨーロッパ人と比べ小柄であったとされ、また護身術という事もあり小柄な者でも戦える技術となっている。
ただし、遠い間合いから器用に足技を使う必要があるため、足の短い日本人体系では不利にならざるを得ない。

現在の競技サバットは手技の使用が増え、キックボクシングとあまり変わらないスタイルになりつつある。
日本ではサバットを教えている所はほとんどないので、やるならキックボクシングがいいだろう。

サバットを使う有名人

アーネスト・ホースト

K-1で4度も優勝を果たした名選手。
リズミカルで流れるような格闘スタイルは、サバットに影響を受けている。

ブルース・リー

截拳道の創始者であるブルース・リーもサバットに影響を受けている。
踵で相手の膝や腰骨に蹴込みストッピングする技は、ブルース・リーのお気に入りだったという噂がある。

サバットを使うキャラクター


アルセーヌ・ルパン(アルセーヌ・ルパンシリーズ)


クリストファー・エクレール(史上最強の弟子ケンイチ)


人吉善吉(めだかボックス)


カタリーナ・アウヴェス(鉄拳7)

サバットに関連する武術

カラリパヤット
サバットの足技は、元をたどればインドの古武術カラリパヤットの型稽古の一つ「鳥(フラミンゴ)の型」が源流となっている、という説がある。

ボクシング
サバットがスポーツとして発展する中で、英国式ボクシングとの交流戦が頻繁に行われた。
本来のサバットは手刀や掌底突きなどが使われたが、ボクシングの技術を取り入れることで手技の発達につながった。

ショソン
18世紀頃、南フランスで栄えた格闘技「ショソン」は、元々はマルセイユの海賊たちが不安定な船の上で戦うための技術であった。
サバットとショソンはどちらも蹴り技を主体とした格闘術で、一時はライバルのような関係であった。
ショソンの独特な蹴り技は、後にサバットにも取り入れられている。

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