截拳道(ジークンドー)

截拳道ジークンドー)は、武道家であり俳優でもあるブルース・リーが創始した武道である。
Jeet Kune Doを略してJKDとも呼ばれる。

見映えのするスピード感のある動きと、高い実戦性により、アメリカ・日本で人気の武術となっている。

截拳道の成り立ち


ブルース・リー(李小龍)(本名: 李振藩)は1940年、中国系俳優の息子として香港で育った。
リーは幼い頃から太極拳少林拳詠春拳など様々な武術を学び、天才的なセンスにより術理をものにしていく。
しかし毎日ケンカに明け暮れる不良少年だった彼は、武術をケンカのための道具としか捉えていなかった。

18歳でリーはアメリカに渡り、ワシントン大学で哲学を学ぶかたわら、中国武術の道場を開き指導料で生計を立てていた。
そうした中で様々な武術家と出会い、空手柔術、テコンドー、ボクシングなどを学んだ。
それらを取り入れつつ、実戦で使えるように改良し続けたリーの武術は「振藩功夫(ブルース・リー式クンフー)」と呼ばれた。


24歳の頃、アメリカの空手大会で披露した演武がTVプロデューサーの目に止まり、それをきっかけとしてリーは俳優スターへの道を駆け上がっていく。
香港映画『ドラゴン危機一発』や ハリウッド映画『燃えよドラゴン』の大ヒットにより、ブルース・リーの名とその強さは世界的に知れ渡った。
リーの強さを疑いケンカを吹っかけてくる、腕に覚えのあるエキストラたちや高名な武術家、道場破りも大勢いたが、彼はそれらををことごとく返り討ちにして実力を認めさせたという。

その間にもリーはさらなる強さを求めフェンシング、ムエタイなど格闘技の技術を貪欲に学び、自身の武術をより実戦的なものへ洗練させていく。
そうした彼の武術はもはや型や流派の枠を超え、攻防一体の自由な戦闘スタイル、あるいは人生哲学にまで昇華された。

リーはそれを截拳道(ジークンドー)と名付け、彼を慕う弟子たちがその哲学、スタイルを教え広めていった。

截拳道の技術

ジークンドーは実戦での強さを追求し続ける武術で、決まった型を持たず、常に進化していくことを理念としている。
何でもありの路上での戦いを想定しており、打撃・投げ・関節技から、頭突き、目突き、金的蹴りなども積極的に使う。(ただし武器術は存在しない。)

「6秒以内に戦いを終わらせる」ことを目標とし、素早い打撃による猛烈なラッシュで相手を仕留める。

截拳道とは、相手の「拳」を「截(た)」つ方法である
すなわち、機先を制する、フェイントをかける、あるいはカウンターを決めるなどで相手の攻撃を封じ続け、一方的に自分の攻撃を入れる戦術こそがジークンドーの本質である。

ジークンドーではこの技術が体系化されており、練習の中で学び、身に着けてゆく。

[ジークンドー&修斗 スピード・テクニック]

截拳道にみられる詠春拳の技術

ジークンドーのベースとなっているのは、リーが若き頃学んだ詠春拳である。
超近距離を得意とし、派手な動きはないが実戦的な詠春拳の技法をリーは最も信頼していた。
リードパンチ、チェーンパンチなどジークンドーにみられる多くのテクニックは、元々は詠春拳のものである。

リードパンチ

ボクシングのジャブに匹敵する速さと、ストレートに匹敵する威力を持つと言われる縦拳での直突き。


[ストレートリード技術解説]

チェーンパンチ

両腕をチェーンソーのように回しながら打つ高速連打。相手に反撃のすきを与えない。

截拳道はどんな人に向いてる?

すばやく殺傷力の高い打撃が特徴のジークンドーは、スポーツや武道としてよりも実戦で使いたい人に向いている。
型の稽古や長い鍛錬を重視せず、スパーリングやミット打ちで実戦力を上げていけることから、路上のケンカで強くなりたい若者にも人気がある。噛み付き、頭突き、金的蹴りなどなんでもありの戦い方は護身術としても有用である。

ジークンドーではフェイントやカウンターなどを多用するため、使いこなすには、ある程度の反射神経あるいは格闘センスも必要とされる。

截拳道を使うキャラクター


サラ・ブライアント(バーチャファイター)


スパイク・スピーゲル(カウボーイビバップ)


赤井秀一(名探偵コナン)

截拳道に関連する武術

詠春拳

ジークンドーのベースとなった中国南派拳法。
槍など大型の武器を修練する”北派”に対して、詠春拳をはじめとする”南派”拳法は短剣や素手での戦いに比重を置いているためケンカに使いやすく、過激な若者から人気が高い

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