日本拳法(にっぽんけんぽう)は、空手、柔道、古武術などを取り入れて作られた実戦的な武道である。
防具をつけ、実際に打ち合い蹴り合って稽古をする”自由組手”が特徴。
突き、蹴り、投げ技、関節技、倒れた相手への追い打ちなども認められており、非常に実践的な技術体系であることから自衛隊の徒手格闘や警察の逮捕術にも取り入れられている。
日本拳法の成り立ち
日本拳法の創始者、澤山宗海(本名:澤山勝)は1906年(明治39年)に奈良県で生まれた。
生まれつき病弱だった澤山は強さを求め、高校入学と共にボディービルと柔道を始め、めきめきと腕をあげていく。
しかし当時すでに柔道はスポーツ化されており、当身の存在しない、格闘技としては不完全なものであった。澤山はより実戦的な武道を求め唐手を学ぶが、これも型稽古中心の修練となっており、満足することはできなかった。
そこで澤山は思案の末、防具をつけたうえで自由に打ち合い、蹴り合って修練を積む武道「大日本拳法会」を発足し、会長の座に就いた。
澤山の考案した”自由組手“は実戦での力を養うのに非常に有効な修練法であったため、
大日本拳法会は活力を持て余した学生たちによって大いに盛り上げられ、「日本拳法」として競技化され発展していった。
日本拳法の技術
打撃技
日本拳法特有の、全身のバネを使った体当たりのような直突きは大変威力が高く、他流派からも知られている。
ただし、防御を顧みずに突っ込んでいく打ち方なのでカウンターをもらいやすいというリスクもある。
その他 裏拳、フック、アッパーカット、足刀蹴りなど
空手やボクシング、古武術の技が取り入れられている。
型稽古より組手稽古を重視するため、他流派と比べ使われる技の種類は少なく限られているが、シンプルな技に絞ることでかえって実戦での使いやすさを増している。
投げ技
柔道の内股や小外刈りなど多彩な投げ技は日本拳法にも存在する。
実戦では柔道の投げ技、あるいはタックルで相手を引き倒し、関節技やキックでの追い打ちに移行する。
打撃を織り交ぜることができるので、柔道よりも投げが決まりやすい。
寝技
基本的に柔道と同じ。間接技に警戒しながら、マウントポジションを奪い合う。
マウントをとってからの顔面攻撃は寸止めで行う。
日本拳法に向いてる人は?
日本の武道の中でもトップクラスに実戦力がつくので、
手っ取り早く喧嘩に強くなりたい人にはもってこい。
空手や総合格闘技よりもこちらをやるのがいいだろう。
気性の荒い人、元気を持て余している人にもピッタリだ。
ただし激しい突きや蹴りを受け続けるため、脳にダメージを受けパンチドランカーになる者も多い。
ちなみに日本拳法の試合は剣道のように素早く一本決めたほうが勝ちとなるので小柄な人でも活躍できる。
日本拳法を使う有名人
猪狩元秀(1950 – )
元キックボクシングWKAミドル級王者。
日本大学在学中に日本拳法部で活躍。卒業後はプロのキックボクシングに転向。
日本拳法をベースとした重いストレートパンチはマッハパンチと呼ばれ、3人のムエタイ現役王者をKOで下している。
長島☆自演乙☆雄一郎(1984 – )
キックボクサー、プロレスラー、総合格闘家。
“オタク格闘家”として総合で活躍する彼も、かつては日本拳法の強豪選手だった。
日本拳法を使うキャラクター
由利満(直撃拳 満)
稲城文之信(グラップラー刃牙)
佐川徳夫(喧嘩稼業)