日本のさまざまな護身術

護身術は、格闘技の試合のように体を鍛え正面から殴りあうものとは技術体系が異なる。

相手の攻撃を入り身でかわし、急所攻撃など最小の力で最大限の効果をあげる手段を用いて相手を制し、その場を離れる。
またナイフなどの武器を使ったり複数人から襲われた場合の対処を学ぶことや、冷静な判断力を養うことも重要だ。

今日の日本では、古くから伝わる武術の技を受け継ぎながらも、現代におこりうる危機的状況に即して改良を加えた様々な護身術の流派が誕生している。

当記事ではその中でも知名度の高いものや、特色のあるものをいくつか紹介する。

護身術『剣』

剣護身術は、現在破竹の勢いで勢力を広げている護身術の団体である。
剣護身術代表の黒木博文(ヒーロ黒木)が2008年から指導し始めた護身術が好評を得て、東京、札幌、名古屋、大阪、神戸、福岡と全国6ヶ所に支部を構えるに至った。

技術的には大東流合気柔術をベースにしており、対打撃・対武器・対多人数と、さまざまな状況に対応できるシステムとなっている。
相手を倒すことより、怪我をさせずに制圧するなどトラブルを回避することを重視している。

実用的な護身術を習うなら初心者や女性も学びやすい実戦護身術『剣メソッド(つるぎメソッド)』

功朗法

功朗法(こうろうほう)は、1980年代に横山雅始により創設された護身術である。

横山雅始は竹内流柔術、糸東流空手、陳式太極拳などを修め、湾岸戦争時の治安の悪い海外で暮らした経験から、現代に即した実用性の高い護身術を編み出すに至った。
その後横山はヨーロッパを中心として軍人、警察機関に指導を行い、その名は日本よりも海外で高く評価されている。

功朗法では、とっさに使える限られた技のみで、多くの状況に対応することを念頭に置いており
例えば下の動画のように、たった一つの動きでほとんどの攻撃を回避することができる。


そのため、武器での不意打ちや闇討ちにも対応でき、また短期間で実践的な技術を身につけることが可能となっている。

総合実戦護身術 功朗法

不二流体術

不二流体術は、昭和30年(1955)、古賀不二人により古武術をもとにして創始された。

技術的には、合気道の祖である大東流合気柔術の流れを汲んでおり、当身、投げ技、絞め技などに棒術や短刀術も加えた総合武術である。

――以下、公式サイトより抜粋

不二流体術の戦闘理論は極めてシンプルである。「敵の攻撃に合わせて体捌きしつつ、一歩前に出る」

「圧倒的な体格差をどう埋めるか?」という命題への解答として、「敵に密着して体勢を崩す」というものがある。
不二流体術では、交叉法で敵の体勢の死角に密着していき、自らの体を合わせて敵の重心を奪う
不二流体術は、力に力で対抗するのではなく、力を技で封殺するための極めて合理的な戦術を備えている。

→ 棒術・短刀術・護身術・徒手格闘術「不二流体術」

(大東流合気柔術) → 合気武道(合気道の前身) →「親英体道」→「不二流体術」→「日子流」と派生しており、特に後者2つは宗教色がなく現代的な実戦も意識したものとなっている

この他にも大東流合気柔術からは合気道、八光流柔術など多くの流派が派生し日本各地に広まっている。

SDトルネード

SDトルネードは照尾暢浩を代表とする護身術指導団体である。

技術的には、実戦性の高いといわれる芦原空手をベースにしながらも、高専柔道の技法を取り入れグラウンド(寝技)での攻防も指導する。
老若男女だれでも使える護身術を謳い、全国、海外に支部や教室を持っている。

最大の特徴は、「SDバトン」と呼ばれる、伸縮式で携帯しやすいトンファーを開発・指導している点である

護身術空手SDトルネード

綜警護身術

綜警護身術(そうけいごしんじゅつ)は日本最大手の警備保障会社、綜合警備保障(ALSOK)の警備員のために考案された護身術。
「綜警防護術」「ALSOK(アルソック)護身術」とも言われる。

実際の事件事故での事例を基に社内で独自に護身術体系を作成し、警備員に社内訓練を実施しながら、最新の技術へと改良を重ねている。
その内容は社外秘となっているが、年に一回開かれる大会の様子が一般公開されている。

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